発想力

石原慎太郎氏が逝去され、生前を振り返るVTR の中で「最近の政治家は発想力がない」とおっしゃっておられた。政治家のことはともかく、発想について思うところを少し。

発想力は、自分で試行錯誤しながら、思考している人の次の一手だと感じています。ですから、人のやっていることを模倣している段階では、それは生まれない。模倣は模倣で良くて、それは学びの段階です。学んだ上に築くのが進歩であり、その進歩に貢献するのが独創です。発想とは、進歩とか独創にかかる言葉だと私は思っています。

発想力がないというのは、まだ模倣の段階か、模倣で満足しているか、のいずれかの状態を指します。20年近くコピーライターをやっていると、ある日突然コピーライティングを仕事にしたという人を見かけます。業界の人口が増えることは良いことであり、繁栄にもつながると思っています。問題は、模倣の先に彼らがいけるのかどうか。もちろん、それは私自身の課題でもあります。

誰もが模倣から入る。私も師匠の模倣から入った。しかし、社会的背景の変化に伴い、同じことだけをやっていても存在意義が薄まっていく状況にあって、コピーライターの芯を強固なものにしつつも、貢献できる社会との接点を微妙に変えていく必要がある。そのあたりが発想力の問われるとことです。模倣で飯が食えるうちはいいんです。問題は、その先。発想力が問われる場面が誰にでも等しく訪れる。そこで独創的な展開をする人に、今とても興味があります。ということは、私自身も、そうありたいと願っているのだと気づきました。


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仕事のやり方から大事

取引先の2社からの話題がそれぞれデザインの相談になり、デザイナーさん探し。デザイナーさんとお話をしていく中で対照的な気づきがあり、それは経営側にも大切な視点であると思いましたので備忘録的に。

・デザインの根っこは、言葉の根っこは、と同じで、「そもそもそれで売れるのか」という議論。

・例えば、企業側で、テレビとネット、カタログ(紙媒体)にこれだけ予算を投下しようと考えている。その表現を考えて欲しいとデザイナーさんに依頼した時に、そもそも売上目標を達成するために、そのテレビとネットは有効か?というオリエンを疑ってみる視点。

・本来、メディアのプランニングは広告代理店さんの仕事であったが、フリーランスのデザイナーさんやコピーライターさんにも、そのような視点を持っている人が増えている。マスメディアという言葉の衰退とともに、またはウェブの台頭とともに、そうなったイメージ。数字のエヴィデンス以上に生活者実感としての議論も納得感を持って受け入れられている印象ゆえ。

・で、どうすればもっと費用対効果の高いやり方ができるのか?例えば、紙媒体なしでは売り切れないのか?などの議論が始まる。

・そこの部分から関わりたいデザイナーさんと、それらが整った状態で、表現(意匠デザイン)において自分の能力を発揮したいというデザイナーさんのそれぞれがおられる。

・せっかく企業の販売促進に関わるメンバーが増える機会なので、どのようなかかわり方でお願いしてチームに入っていただくかは、大事。

・その人の持ち味を200パーセント生かすも殺すも、かかわり方のすり合わせ次第。


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抱負2022

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
「お客さまを愛し、愛することを仕事とする」。
これが今年の抱負です。

どのように愛するのか。
これは実力に関することになりますが、守破離の「離」の季節がようやく訪れた実感を持っています。
これまでは、コピーライターの師匠に倣い、先人の築かれたものに忠実に、同じようにやろうとしていた。
しかし、何年も前からそうありたいともがいていましたが、ようやくその倣った土台の上に自分なりの一歩を踏み出せそうな予感がしています。予感とは兆し、小さな手応えです。

今年は、型を破ることで、お客さまの課題にとびっきりの解法をお示しさせていただき、お客さまの利益の最大化に言葉の観点から貢献する。そんな一年にします。あれこれお声がけいただくままに手を広げてきましたが、それがようやく実を結ぶ年となりそうです。変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。


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ありがとうございました2021

いくつかの仕事とともに年越しを迎えます。
今年もご愛顧いただきました皆さまに、心から御礼を申し上げます。

OSアカデミアという国語の学習塾を主宰しながら子どもたちをみていて、子どもの多様性を実感させられています。偏差値はその一つの指標に過ぎず、それに依らず自らの生き方を逞しく切り開こうとしている姿に、大人の私が感銘を受けています。多様化というキーワードを目の当たりにしています。

そういう彼ら/彼女らが社会人になって企業活動に参加するときの企業って、どうあるのが望ましいのか。望ましいというのは、彼ら/彼女らの共感が得られるのかという視点で企業を考えることが増えました。理念経営に貢献する取り組みもさせていただいていますが、果たしてトップダウンで理念にひれ伏すようなあり方が、これからなのか?考えてしまいます。

経営は効率という言葉との親和性が高く、好まれそうなところではありますが、効率を追求することが利益の最大化に直結するわけでもないということも、最近の経営者の納得されるところではないかと思います。経営者は数字を常に睨みながら、企業活動における複数の変数のどれをさわればより良くなるかを思案されていることと思います。その変数の一つである言葉(概念=世界観=ブランドの形成)を志向される経営者と来年もたくさんの幸を作ってまいります。どうぞ良い年をお迎えください。


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1円もかからない方法から試そう

企業経営において言葉を大切にお考えならば、まずは隣にいる社員に心からの言葉をかけてみよう。
その心が、経営の背骨となる言葉を生み、まだ見ぬお客さまに響く言葉を生むはずです。
やっぱり言葉は心であり、それがなければいくら美しい言葉でも多くの場合は機能しないように思われます。


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