少しずつ感じる変化

 求人情報を書くという仕事は、今も昔もコピーライターの仕事として変わらない。しかし、年々暖簾に腕押しというか、書いてても虚しさが残る。ちょっと前までは、いろんなことを犠牲にして、就職や転職を希望する組織に自分を合わせにいくことが暗黙の了解であり、そのような犠牲の上に企業と求職者のお見合いが成立した(しやすかった)のだと思う。

 しかし、今は、犠牲にするのはおかしい、あれもこれも大事なんだ、という主張が通りやすい時代空気になってきた。子育てパパ、親の介護などはその一例。そんなものを犠牲して働くなんておかしいという主張を、企業はある程度聞かなくてはいけない。もっと目には見えない個人的な価値観は山ほどあると思う。多様性ですね。

 企業とはこういうものだから、組織とはこういうものだから、というこれまでの価値観や常識といった類のものも、今の求職者には一つひとつ点検、検討する対象であり、納得しないと動かない時代だと感じています。当然、「俺はこうやってやってきた」と犠牲を主張し、正当化する向きも出てくる。両者の溝はおそらく一生埋まらない。どちらが正しいということもなく、そういう時代空気を感じるという話。そういう空気感を文章で伝えるのは、難しい。難しいが、やらないと企業と求職者のお見合いは、うまくいかない。うまくいかないと、企業は露出を増やす。結果、求人サイトばかりが増えて、意味のないコンテンツが宇宙に拡散されるばかりではちょっとね・・・だから。


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