言葉は、未来をつくっている

小学生から高校生、既卒生と毎週関わっていると、子どもはいつまでも子どもではないという当たり前のことに気づかされます。小学4年生を10歳とすれば、およそ10年後には社会で一緒に仕事をしているかもしれないし、高校生は、数年後に・・・と、連続した時間の中で彼ら、彼女らは、私たち大人の生写しのように、教わったことや目にしたことなどをそれぞれに判断し、価値観に高めて未来を切り開こうとしています。

つまり、企業が発した言葉だって、子どもは敏感に察知し、自らの判断によって価値観の一つになったりならなかったりしているはず。企業が宣伝で発する言葉、企業理念として最上位に据える言葉。その言葉に従って働くお父さん、お母さん。その理念に感謝し、家庭で会社を褒める親、ひどい価値観の会社なら、家庭で愚痴が絶えない親。そういう全てを子どもはしっかりと見て、自ら判断し、生き方を試行錯誤しています。

私たちは、未来をつくっています。できれば、窮屈ではない未来がいい。できれば、寛容な社会をつくりたい。できれば、面白い未来にしたい。できれば、一人ひとりが輝いて立って欲しい。子どもたちのことを思うと、未来をつくる立場として、責任感も生まれます。いずれは、その子どもたちに支えられ、助けられて生きていくのが人の世。そういう視点で、企業として、社会にどのようなメッセージを発するのが良いかを考えてみるのも大切だと思います。


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やっぱり「言葉と経営」

昨日は、香川県立保健医療大学にて、講義を依頼いただき、看護科の1年生70名にお話をしてきました。いただいたテーマは「論理的に考え伝える力の重要性と情報倫理」。論理的とはどういうことか、ということに時間を割いてお話をしました。あくまでも、コピーライターとしての登壇です。

私は、コピーライターは、もはやメディアに宣伝文句を書くことだけが仕事ではないと考えています。もちろん、今でも宣伝文句の依頼は変わらずにあります。しかし、言葉の力で企業経営を見た場合、企業活動の最上位概念である理念やフィロソフィーになるし、それを販売の観点から見れば広告になり、社員教育の観点から見れば、クリエイターが日常的に活用している(はずの)デザイン思考に至ります。それら全てを、またはそれぞれをこれまで企業に提供してまいりました。

コピーライターが広告のコピーだけを書いていれば良いなんて誰が決めた!?
これは、亡き師匠・柴田常文氏に言われたことです。それ以来、私は、コピーライターの力を広く社会のお役に立てる局面を丁寧に探そうという意識で仕事に当たっています。

昨日の学生さんに向けての論理的な思考力、読解力のお話も、その一つ。決して難しい話ではなく、無意識のうちにやっている思考に「論理」という視点から光を当ててみただけのこと。これは「ものの見方」の話だよ、と何度か言いました。企業活動も、私は同じだと思っています。ものの見方によって、意識が変わり、日々の動きが変わり、お客さまとの関係性が変わり、利益が変わる。目先の利益に忙しい企業経営者に響くかどうかはわかりませんが、言葉の力に可能性を見出したい企業経営者と一緒に仕事ができることが、今の私の幸せの一つです。


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「書いて書いて、書きまくれ!」

#コピーライターの考えていること#03

「書いて書いて、書きまくれ!」

画像や動画の時代に、書いても読まれない問題があります。「そんなに書いても読んでくれない」というのは、書き手が企業経営者の場合は企業の悩みであり、書き手がコピーライターの場合は、それを採用するかどうか決める企業側の判断の声であったりします。消費者としてのわたしも、たしかにそういう時もあります。SNS上での情報は、1秒。とにかく時間がない。情報が多い。読み流す。読み飛ばす。見たつもり。眺める。しかし、「これは!」と思うことは、もっと知りたい、もっと読みたい、もっとかかわりたい。

企業が言いたいことは、すべて言葉にする。これは間違った方法ではありません。視点は二つ。一つは、瞬時に掴む言葉と読み込ませる言葉の区別がつけられていること。二つは、読まない人をターゲットとしないというセグメントや、消費者に知的に挑む姿勢がブランディングに通じているという考え方。言葉を尽くすことは、無駄ではありません。どこの誰が読んでいるのかわからない。しかし、尽くした言葉は、必ず届いているものです。仮に言葉が届かなくても、その熱意や姿勢は伝わる。私たちは、そういうものに共鳴して生きているのだと思います。


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「課題を探すことが、課題だ」

コピーライターの考えていること#01
「課題を探すことが、課題だ」

「伝えること」そして「伝わること」は、どの企業でも悩みの尽きない課題のはず。たいていの企業は、この悩みは持っておられる。問題は、その悩みをどれだけ具体的に置き換えていくことができるか。誰に伝わっていないのか、の「誰」を具体的にするだけでも、手の打ち方は見えてきます。「何」が伝わっていないのか、例えば、ブランドの大事なメッセージが伝わっていないのか、そもそも名前さえ知られていないのか、競合に対して差別化が弱いのか…。はたまた、「伝え方」が不味いのか。このように、課題を具体的に展開していく、課題の質を高める、ということが大事。これができる企業とできない企業との差がどんどん開いているのが、いまの時代。なぜなら、模倣すべき成功モデルはなく、自社の実態に即した手の打ちようが求められているからです。自ら考えることのできない企業はダメになっていく。考えるとは抽象的ですが、その段階の最初に、課題を探すこと、課題の質を高めていくことが挙げられます。抽象的で生煮えな課題を抱えて、漫然と宙を眺めていられるほど悠長な時代ではなくなっています。今日より明日、明日より明後日と課題の質を高めていくことが肝要。もっと言えば、課題の質を高めることができるヒントを持っているのは、2人。一人は外部の眼。もう一人は、日々の業務を現場で担っている社員なのですね。そこに気づきの眼があるかないかで、課題の質は上がりもすれば下がりもする。ここ、ポイントです。


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再び考えよう

考えよう。さきほど風呂に入りながら、ふとそう思い立ちました。人生にも四季があり、いったり戻ったりしながら人は生きているとすれば、いまのわたしは、喧騒を潜り抜け、再び、静かな思索の季節に入ったように感じます。ここでCONERIについて考え、整理をしてみようと思い至りました。多くの人、モノ、コト、お金とのご縁をいただき、いまでも継続している仕事はありますが、15年という歳月は、物事を客観的に、冷静に見させてくれるようになりました。哲学というほど立派なものではありませんが、主義や主張、ポリシーを持って社会に立つことができるようになった感もあります。

いまの自分に大切なことは、思考の歯車を回しつづけること。コピーライターの仕事は、クライアントのことをクライアント以上に思うことで成立をするので、常に人のことを思い、考えていました。不器用なわたしは、それと自分のことを整理し、考えることを同時にできなかった。しかし、ようやく、それが同時にできるところに来られたように思います。CONERIはまだまだやっていく会社なので、ご縁のある方と一緒に歩けるように、思索の過程を記録として公開します。

CONERIの考えていることに共感いただける方と、再び、または新たにご縁に恵まれ、一緒にお食事をしながら語らい、ゴルフで楽しみながら、お仕事でお役に立てることが、やはりコピーライターとしては幸せなことです。わたしの職業人としての願いは、世に名コピーを残し、その言葉を日々噛みしめる人が笑顔になったり、元気になったりすることであり、さらに言えば、それが世に広がっていくとき、わたしという存在は消えていることです。詠み人知らずとして、素敵な言葉がこの世に増えていくこと。良しにつけ、悪しきにつけ、その過程を書き綴ることになります。お付き合いいただける方がいましたら、一緒に歩いていきませんか。不定期ですが、できれば週に数回は考えをまとめて記録したいと思っています。


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