【これも、コピーライターの視点_05】

「デザイン」と「デザイン思考」は別。
design doingかdesign thinkingか。
doingは、デザインの教育や訓練を受けた
専門的な職能を持つ人の専売特許で、
彼らは一般的にはデザイナーと呼ばれています。

「デザイン思考」とはわたしが言わずとも、
黒川利明氏(科学技術動向研究センター 客員研究官)
によると、
イノベーションを推進するアプローチで、
2004 年ごろに米国パロアルトにある
IDEO というデザインスタジオで用いられた標語
に基づいていると言われています。

そして、2005 年に、Business Week 誌が
“design thinking”と題した特集号を発行したことで、
世界的に広く知られるようになります。
現在、デザイン思考の説明には種々ありますが、
「課題解決に取り組むためにアプローチする際のやり方」
ということに集約できそうであると、
黒川氏は整理しています。

つまり、デザイン思考とは
課題解決のアプローチなのです。
デザインとは、課題解決。
これが、言葉の本質です。
ですから、専門的なデザインスキルを持たずとも、
社長さんだって、居酒屋で意気投合したおじさんだって、
板前さんも、教師も、お母さんも、子どもも、
もちろんコピーライターだって、
課題解決に対する考えと見通しを示すことができれば、
デザイン思考をしていると言えるわけです。


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【これも、コピーライターの視点_04】

モノの売買という経済行為のなかに
自己の有用性や自社の存立価値を
いかに見出していくのか。
このことに、「正解」はありません。
妥当だと思われる考えや
精度の高い仮説にとどまる世界です。

このように、自分が考えたことを口にするのは、
勇気が必要です。
わたしは、コピーライターとしてデビューしたとき、
そのことにまっさきに気づきました。

学校で教わった学習には
常に正解があり、
正解にたどり着いたことを発表するのは
恥ずかしさはありませんが、
唯一解のない問いに対して、
「自分はこう考えます」ということを口にすることは
たいへん憚られた記憶があります。

思えば、それも、「知識・技能」の学習の
申し子みたいな話です。
思考・判断・表現の時代に入ったとは言え、
わたしたちには、自分の考えを表明する
勇気が必要です。

この場合の考えとは、仮説に近いもので、
しかも企業においては、
その突拍子もなさが時として
組織を救うことがある。

模倣する未来を失っている私たちは、
常に、仮説と検証の繰り返しが要求されます。
これを、デザイン思考という言葉で
整理することができます。
それについては、また次回。


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【これも、コピーライターの視点_03】

教育が変わっているということは、
社会が変わっているということです。
当然、コピーライターだって、
変わらなくてはいけません。
いけない、ということはありませんが、
時代のなかで有用な仕事をするには、
おのずと変わらなくてはいけない。

そもそも、コピーライターは
アメリカから来た職業です。
アメリカのアドバタイジング、
それも、新聞広告の華やかな時代に
相応の地位を確立したと聞いています。

当時、アメリカは、
大量生産・大量消費時代。
大量につくられたマスプロダクト(もう死語?)を
大量に売りさばくために、
マスメディア(もう死語?)に載せる広告において
貢献したのが、コピーライター。

その時代に築かれたコピーライターの
言葉を開発するノウハウは、ベースとして、
そのうえに、あたらしいコピーライターの
あり方をわたしは見ています。

具体的には、
モノの特長や魅力を語る言葉
(知識・技能の言葉)を活用し、
対話によって心を揺さぶり、
本質に迫る対話を通して、
言葉にできずにこぼれ落ちた思いをすくい上げ、
ものの見方・考え方、価値観、概念の
質的転換をはかり、
気づき(自己との関係でとらえ直すこと)を与え、
「生き方・あり方」に迫る言葉を開発すること。
また、それを通して、組織や社会、世界の
関係性の再構築への道筋を示すことこそが、
これからの時代における
存在意義だと考えています。

要は、モノの売買という経済行為のなかに
自己の有用性や自社の存立価値を
いかに見出していくのか
というもっとも事業の核となるところに
迫ることではないかということです。


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【これも、コピーライターの視点_02】

教育の言葉に
「知識・技能」と「生き方・あり方」
というのがあります。
知識・技能とは、できることを増やしていく
というイメージ、学習を量でとらえる視点。

明治の文明開化以降、
わたしたちは、欧米に倣い、追いつくために
必要な学習を「量的」にとらえて
その達成をテストではかられてきました。

いま、もはや欧米の模倣が
唯一の成功の道ではないと悟ったわたしたちは、
模倣する未来を失い、
教育の世界では、知識・技能の「活用」、
つまり、「思考力・判断力・表現力」を
養おうとしているようです。
その起点は、「子どもの願い」だと
仮定している研究が散見されます。

企業のコミュニケーションも同じです。
知識・技能、つまり、自分たちができることを
声高に言っても「うるさいわ!」という時代。
それは、知識・技能に差異が見出しづらい
ということも一因として挙げられます。

そうであれば、生き方・あり方
つまり、自分たちの企業はこっちを向いていますよ!
こんな価値観でやっていますよ!
ということを言うのが合理的な時代。
コピーライターが
教育の変化から学べることは大きいのです。


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人事評価との連携が大事

事業の軸となる言葉が定まれば、
その言葉の方向に組織の舵を取るなら、
そこは人事評価と連動しなくてはなりません。

その場合の評価は、
方向的目標と到達目標の2つの系統が必要。
到達とは、具体的な、
できれば数値的な基準で評定すること。
営業の数値目標的なもの。

方向とは、良さの進展を見定め、
そちらに伸びていっているかを多様にとらえ、
改善を図ること。
その場合は、上司が社員の日常をよく観察し、
意味づけ、価値づけをしてやることが大事。

どの方向で意味づけ、価値づけするかは、
経営判断。言葉の力が、経営の隅々にまで
行き渡るには、そこまですることが必要。


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