【これも、コピーライターの視点_07】

昨日は、課題意識や問題の設定について
書きましたが、少し私たちの手元に
話題を戻してみたいと思います。
それは、言うほど簡単ではない、という認識です。

薬の売上以上に、医療制度そのものを
脅かしている問題は何か。
それは、「順守」の問題であると
誰かが「発見」しなくてはいけないし、
「発見」して「発言」しなければいけない。
それが「正解」とも分からないのに、
大方の傾向やデータを分析し
「大いなる仮説」として発言することは
多少の差はあれ、勇気が必要です。
自己肯定感が必要です。

内閣府の調査(平成26年版 
子ども・若者白書(全体版)特集1自己認識 )で、
「自分に満足をしている」という質問で
日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、
フランス、スウェーデンの各国で調査した結果、
日本人がもっとも低くて45パーセントくらい。
あとの国は、低いのが韓国の70%、
アメリカでは9割の若者が
「自分に満足をしている」と回答しています。

つまり、日本の若者は諸外国と比べて、
自己を肯定的に捉えている者の割合が低く、
自分に誇りを持っている者の割合も低いと分析。
これは、「デザイン思考」のベースになる力です。

唯一解にたどり着くことを求められた教育は、
仮説や戦略、見通しといった
正解じゃないかもしれないという着想を
たしかなものにしたり、表現したりする力を
奪っていたのかもしれません。

しかし、これからの世の中は、
絶対的な正解などなく、
大いなる仮説と検証の繰り返しでしか
成長・発展しないのです。
さて、困った、と思いますか?
それとも、楽しい!と歓喜に沸きますか?


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【これも、コピーライターの視点_06】

米国パロアルトにあるIDEOで
実際に為されたデザイン思考とは
どのようなものがあるのか。
「デザイン思考が世界を変える」
(ハヤカワ)から一部ご紹介。

デザイン思考の始まりは、
課題に発見/問題の設定にあります。
薬剤メーカーによると、
患者が自分の判断でなんとなく
薬の服用をやめてしまうことにより、
年間、数十億ドルの売上を逃している
という報告があるそうです。

これは、商業上の不利益だけではありません。
患者にとっても、心臓病や高血圧などの
慢性疾患の場合の服用の順守は
命にかかわることです。
また、感染症などの場合は、
患者の自己判断は、感染のリスクに直結します。
薬剤業界にとって、課題は、「順守」にあるのです。

薬の売上を見た時に、
患者の「順守」に課題を見出し、
そして、それはテレビCMなどによる啓蒙
だけでなく、
・病気について教育する
効果的な「方法をデザイン」する
・患者が支援チームのウェブサイトや
看護師のコール・センターに助けを
求められるようにする
なども「デザイン思考」。

大事なことは、
「人を、成長する存在、考える存在」
として扱うことだと書いています。
共感の物語のなかに患者を
入れてしまうのですね。
こういう着想こそ、デザイン思考の好例です。


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【これも、コピーライターの視点_05】

「デザイン」と「デザイン思考」は別。
design doingかdesign thinkingか。
doingは、デザインの教育や訓練を受けた
専門的な職能を持つ人の専売特許で、
彼らは一般的にはデザイナーと呼ばれています。

「デザイン思考」とはわたしが言わずとも、
黒川利明氏(科学技術動向研究センター 客員研究官)
によると、
イノベーションを推進するアプローチで、
2004 年ごろに米国パロアルトにある
IDEO というデザインスタジオで用いられた標語
に基づいていると言われています。

そして、2005 年に、Business Week 誌が
“design thinking”と題した特集号を発行したことで、
世界的に広く知られるようになります。
現在、デザイン思考の説明には種々ありますが、
「課題解決に取り組むためにアプローチする際のやり方」
ということに集約できそうであると、
黒川氏は整理しています。

つまり、デザイン思考とは
課題解決のアプローチなのです。
デザインとは、課題解決。
これが、言葉の本質です。
ですから、専門的なデザインスキルを持たずとも、
社長さんだって、居酒屋で意気投合したおじさんだって、
板前さんも、教師も、お母さんも、子どもも、
もちろんコピーライターだって、
課題解決に対する考えと見通しを示すことができれば、
デザイン思考をしていると言えるわけです。


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【これも、コピーライターの視点_04】

モノの売買という経済行為のなかに
自己の有用性や自社の存立価値を
いかに見出していくのか。
このことに、「正解」はありません。
妥当だと思われる考えや
精度の高い仮説にとどまる世界です。

このように、自分が考えたことを口にするのは、
勇気が必要です。
わたしは、コピーライターとしてデビューしたとき、
そのことにまっさきに気づきました。

学校で教わった学習には
常に正解があり、
正解にたどり着いたことを発表するのは
恥ずかしさはありませんが、
唯一解のない問いに対して、
「自分はこう考えます」ということを口にすることは
たいへん憚られた記憶があります。

思えば、それも、「知識・技能」の学習の
申し子みたいな話です。
思考・判断・表現の時代に入ったとは言え、
わたしたちには、自分の考えを表明する
勇気が必要です。

この場合の考えとは、仮説に近いもので、
しかも企業においては、
その突拍子もなさが時として
組織を救うことがある。

模倣する未来を失っている私たちは、
常に、仮説と検証の繰り返しが要求されます。
これを、デザイン思考という言葉で
整理することができます。
それについては、また次回。


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【これも、コピーライターの視点_03】

教育が変わっているということは、
社会が変わっているということです。
当然、コピーライターだって、
変わらなくてはいけません。
いけない、ということはありませんが、
時代のなかで有用な仕事をするには、
おのずと変わらなくてはいけない。

そもそも、コピーライターは
アメリカから来た職業です。
アメリカのアドバタイジング、
それも、新聞広告の華やかな時代に
相応の地位を確立したと聞いています。

当時、アメリカは、
大量生産・大量消費時代。
大量につくられたマスプロダクト(もう死語?)を
大量に売りさばくために、
マスメディア(もう死語?)に載せる広告において
貢献したのが、コピーライター。

その時代に築かれたコピーライターの
言葉を開発するノウハウは、ベースとして、
そのうえに、あたらしいコピーライターの
あり方をわたしは見ています。

具体的には、
モノの特長や魅力を語る言葉
(知識・技能の言葉)を活用し、
対話によって心を揺さぶり、
本質に迫る対話を通して、
言葉にできずにこぼれ落ちた思いをすくい上げ、
ものの見方・考え方、価値観、概念の
質的転換をはかり、
気づき(自己との関係でとらえ直すこと)を与え、
「生き方・あり方」に迫る言葉を開発すること。
また、それを通して、組織や社会、世界の
関係性の再構築への道筋を示すことこそが、
これからの時代における
存在意義だと考えています。

要は、モノの売買という経済行為のなかに
自己の有用性や自社の存立価値を
いかに見出していくのか
というもっとも事業の核となるところに
迫ることではないかということです。


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