意外とできていない「デザイン思考」

社内会議で、例えば、
商品のデザインを改善すると
もっと売れるのではないか
という仮説と、
デザイン変更の方針が立てられた
とします。

・・・というわけで・・・
とCONERIに見えた企業経営者。
では、とデザインの検討に入るのか。
わたしは、その仮説を真に受けません。
経営者の抱える問題意識の本質は、
「もっと売れるようにするためには?」
ということ。
その解決に、明らかなデザイン的欠陥が
あれば、さっそくにデザイン改訂ですが、
そうでない場合、
もっとじっくりと現状をお聞きします。

コピーライターの得意である、
360度の検証が始まるワケです。
これが、「デザイン思考」の入口。
デザインはdoingするのは
デザインスキルを持つデザイナーですが、
デザインthinkingは、
職能を持つデザイナーさんの
専売特許というわけではありません。

今治タオル。
佐藤可士和さんのロゴマークで
飛躍的に認知が進み、
世界に誇るブランドとなりましたが、
売上が低迷しているときに、
タオル組合の人は、
現状の打開策に、ロゴマークを創ろう!
という人はなかったはずです。

モノやサービスが売れない。
そういう課題に対して、
デザイン思考できるクリエイターこそが、
その解決に貢献できます。
その解決に貢献できる具体的な武器は、
言葉であり、狭義の意味のデザインです。

先のデザインを変えよう!という社内協議は、
もしかしたら、デザインを変えずとも、
伝え方を変えれば良い話かもしれない。
ねらうターゲットを再設定するべきかもしれない。
置く店を変えてみるべきかもしれない。
企業のあり方までさかのぼって、
根本を変えないと、一時の対処療法に
なってしまうことかもしれない。

360度、あらゆる検討から、
課題の本質をとらえ、
解決への選択肢を提示できる力。
これが、デザイン思考のはじまりです。
いま、多くの企業に求められている
現在進行形の待ったなし!のことです。


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いっぱい愛して。

欲張りなのは、経営者の常。
前作のロールケーキ「軽く愛して。」
に続く第二段。
今回は、チーズタルト。
一口じゃ食べきれませんが、
二口か三口でペロリと食べられる大きさ。

小さいだけに、いっぱい買って欲しい
というシェフの思いを、
愛のフレーズにしてみました。

実際、店頭では、
5個や10個単位の箱詰めで
買っていかれるお客さまが
多いようです。

愛して!というお願い系の表現は、
一般的にはNGです。
「〇〇してください」
という言い方に、共感はないからです。
しかし、「愛」となれば話は別。
愛のgive & takeは、私たちの日常であり、
いずれの欲求も持つのが人間。
そこに普遍的な共感が生まれるのです。

何はともあれ、
このキャッチフレーズで
商品が動いたことに、一安心。
店の看板商品にまで
成長しているそうです。
そこまでいくと、
言葉の役目を果たせたというものです。



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言葉と一緒にあるもの

わたしたちが、国語の読解問題で
満点を取ることが一般的でないという事実は、
日常生活にあふれている言葉が
客観的に注意深く読み取られている
ということは、ほぼ期待してはいけない
ということを意味しています。
この事実に諦めを抱く人は、無口になり、
挑む人は、饒舌になる。

言葉は、万能ではない。
限界があるのだという論説は、
言語論では有名はことであり、
わたしたちは、その限界を認め、
それでもなお、伝えたいと願う。

伝えたいと願う様子で
わかりやすいのは、子ども。
幼稚園や学校であったことを
機関銃のように話す姿は、
人が言葉を繰り出す自然な欲求を
見ているようで、気持ちのいいものです。

言葉は、それ単独が記号的にあるのではなく、
伝えたい気持ちや
働きかけたい熱意という
外向きのものと、
それを支える自己肯定感、
つまり自分への愛の深さを
目に見えるかたちに置き換えたものと
見るのが、実態に近いように思います。

言葉を整えることは、
気持ちを整えること。
だから、言葉だけくださいという
愛のないオーダーは、
あまり真剣に付き合いたいと思わなくなりました。
気持ちを通い合わせる関係性のなかで
初めて、実感を伴う言葉が生まれてきます。


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欲しかったのは、言葉だったンだ!

「わたしは、言葉が欲しかったのだ!」
という気づきと驚き、納得感を手にされたのが、
吉田建設さん(香川県)の事例。

当初、
「写真や数字で表現できるデザインや性能だけでなく、
その概念(コンセプト)を伝えるにはどうしたらいいか」
を悩んでいました。

その悩みは、「30年日記 30の幸せ」という
新築事業におけるキャッチフレーズの開発で
見事に解決したのです。

社長のお話を何回か聞くうちに・
明らかに、社長の思いは「30年」にある。
だったら、それを軸に、
前面に出せる言葉を考えよう、
というのが、わたしの着想の第一歩でした。

新築から30年というのは、
実は、建て替えやリフォームを考える
一つの節目だそうです。
その30年に、建設会社として責任を持つ覚悟であり、
施主にとっては、30年間、毎年、
その家を舞台に、かけがえのない幸せが
丁寧に積み重なっていきますように
という思いが込められています。

写真やデザインで表現し切れなかった思いは、
そのキャッチフレーズで見事、言えたのでした。
「最初は求めているものが言葉だとは
夢にも思っていませんでしたが、
共感を得るコミュニケーションの手段として、
言葉は欠かすことのできないものでした」と
吉田建設さん振り返っています。
言葉を持つ企業は、元気な企業です。


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さあ、一週間のはじまりです!

人ごみのなかでも新入社員の区別が
まだつく4月の第3週目の月曜です。
まだ会社に入ったばかりのころのわたしは、
その会社の扱う商品知識を頭に入れるのに
精いっぱいでした。

わたしは、広告営業という仕事で社会に出たので
その会社の扱う広告メディアの知識、
印刷の知識などを研修でみっちり叩き込まれ、
そんなことばかりに意識がいっていました。

そんな状態で営業に出ても、
頭にあるのは、商品のことと、売上目標の数字。
お客さまのことなんて、ちっとも考えてなかった
二十歳過ぎの自分を思い出して
笑ってしまえるのは、イマだからですね。

やはり、その商品を購入することで
お客さまの安堵や歓びが感じ取れないと
売る側としては一人前とは言えない。

同様のことは、言葉にも言えるのです。
企業理念という企業の最上位に位置づく言葉は、
自社の商品やサービスを通して
お客さまにどのような価値を創造/提供するのか
ということが言葉になったものです。

誰かの歓ぶ顔、明るい表情、やさしい気持ち、
楽しい気持ち・・・
そういうものが、自社の商品やサービスの
向こうに実感を伴って見えてくれば
その人は、その企業をある意味で
代表していると言っていいのでしょうね。

月曜のあさ、
商品やサービスの向こう側にある
お客さまの笑顔を想像しながら、
エンジンをかけていきましょうか!


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